2011年6月18日土曜日

和田アキ子「バ・カ・ダ・ネ」

「恐怖のヤッちゃん」で思い出しましたが、和田アキ子さんの本を作ったのも1985年。ワニブックス発売。
和田さんはごぞんじのように、ゴッド姉ちゃんの異名を持つくらい、誰もが認める芸能界のご意見番です。頼んできたのが、ワニブックスの濱口くんでなかったら、おそらく断っていた仕事です。

和田さんの本を作るには、相当なエネルギーが必要だ、と直感的に感じていたからです。
案の定、最初の打ち合わせのあと、食事の席で、和田さんは酒の勢いなのか、こうおっしゃいました。
「おまえに、あたしの本が作れるのか!?」

なんだか、気に入られなかったようです。身に覚えはなかったんですけどね……。

当時の僕は、けっこうヘビースモーカーでした。マイルドセブン1日60本。
和田アキ子さんもタバコを吸っていたのですが、何回目かのインタビューの前に、突然の禁煙宣言をしたのです。その和田さんの前で、僕は言ってしまいました。
「すみません、タバコを吸ってもいいでしょうか?」

一瞬、和田さんの顔がこわばりましたが、すぐに笑顔で答えてくれました。
「いいよ、もちろん。私はそんなの大丈夫。気にしないから」

安心して、タバコを吸っていると、和田さんが笑いながら言いました。
「禁煙している私の前でタバコを吸ったのは、梶原がはじめてだよ」

笑っていても、正直、怖かった……。僕の隣で、濱口くんがあわてて、箱から取り出した1本のタバコを元に戻していました。
その日のインタビューはもう、さんざんでした。トンチンカンな受け答えばかりしていました。

でも、この日以外は極めて順調に取材が進み、楽しい本になったと思っています。
サブタイトル「よせばいいのに言っちゃった」のとおり、芸能人の危ない話のオンパレードでした。ほんと、和田アキ子さんだからこそ出せる本です。

もういちど読みたくなって、さっき本箱を探したのですが、見つかりませんでした。
この頃の本は、ほんとうに手元に残っていません。ペップ出版のときの本もそう。何度かの引っ越しで、どこかへいってしまったみたいです。

そう思って探してみると、自分が作った本が、本箱に見つからないのです。
扶桑社で作った本では、原田知世さん、中山美穂さん、ふたりの本があっただけです。2階の段ボールを見てみないとはっきりしませんが、整理整頓できていない自分にあきれるばかりです。

HAPPY DAYSは記憶の中だけ。でも、もういちど読みたくなる本もあることを知りました。


ノアズブックス編集長 HIDEO.K

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