2011年11月30日水曜日

吉村達也『京都魔王殿の謎』

新装となった“魔界百物語シリーズ”第2弾の『京都魔王殿の謎』が21日に発売となりました。ノアズブックスにとっても、2冊目の本。






これも1弾目の『妖精鬼殺人事件』同様、400ページ超の大作。吉村さんの筆力の凄さにはいつも驚かされます。

この『京都魔王殿の謎』は、旧魔界百物語の『京都魔界伝説の女』をモチーフにしていますが、まったく違った作品に仕上がっています。

なにしろ、設定を2011年、つまり今年にしているわけですから、旧作でかなりのページを割いていた香港返還ドキュメントは全面的にカット。


この1997年の香港返還イベントには、思い出深いものがあります。僕も吉村さんと一緒に、香港にいたからです。

もう時効だから書いてしまいますが、吉村さんの著者校を取りに行くということで、無理矢理、香港へ出張したのです。2泊3日だったかな。当時は、出版社の代表をしていたとはいえ、まさに職権乱用(?)の荒技でした。

夜中の12時からイベントがあるというので、地下鉄に乗り、どこかの公園へ向かいました。ところが、人の流れは逆で、みんなは公園から出てくるのです。

言葉がわからないつらさですね。イベントが中止になったのを知らずに、吉村さんと二人、会場へ向かっていたのです。雨が降っていたのか、雨上がりだったのか……。

なんとなく、淋しい思いでホテルへと戻ったのをよく覚えています。


光陰矢の如し、を実感します。月日が経つのは、本当に早いと感じています。

その香港変換ドキュメントがなくなり、世紀末的雰囲気も一掃された『京都魔王殿の謎』は、ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。帯のキャッチコピーにもありますが、結末は人間の想像を超えています。

そんな吉村さんとの思い出話を「魔界百物語」公式サイトにある「プロダクションノート」に書いていこうかな、と思ったりしています。ttp://makai100.blogspot.com/


吉村さんが本の中で言っているように、好奇心を持ち続けて、面白いものを世の中に送り出したい、と思いながら仕事を続けています。

自分が楽しくなければ、人が楽しいわけがない、といつも言い聞かせています。つらいことが多くても、明日はHAPPY DAYSなんだ、と強がり言って……。


ノアズブックス編集長 HIDEO.K

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